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東日本大震災から12年

 エレベーターを降りかけた、ちょうどその時でした。

「地震です!近くの階で降りてください!」「何だ、また故障か?」

 2011年3月11日14時46分、大きな揺れが庁舎を襲いました。職員も庁舎も悲鳴をあげました。繰り返し、これまで経験したことのない揺れが続きます。「落ち着け!落ち着け!」恐れていたものが、遂に来たと思いました。

「直下型じゃなさそうだ。関東大地震の再来か?震源は?被害は?火災の発生は?」

 足立区の震度計は震度5強を記録。「庁内に残っている住民を公園に避難させよ!」7分後、危機管理室長(当

時)だった私は災害対策本部会議を招集。区長以下本部員が緊張の面持ちで集まってきます。幸い、区内に大きな被害はありませんでした~月刊ガバナンス2017年2月号「当機立断(私の3.11前編)」より抜粋~

 東日本大震災から12年。私たち個人でできる最大の災害対策は「忘れないこと」です。さらにできれば、災害を「想像し備えること」でしょう。写真は学校(体育館)の屋根に描いた「ヘリサイン」です。これを目印に救助・救援のヘリコプターが飛行します。普段、目にすることのない震災対策のひとつです。高所恐怖症の私がヘリに乗り、上空から撮影しました。