· 

熊本のアサリが産地偽装の疑い

 産地偽装と言えば、牛肉、うなぎ、などが有名ですが、今回はアサリの偽装です。

 先月31日、熊本県知事は産地偽装の疑いで同県産のアサリを2カ月間、出荷停止するよう漁業組合に要請しました。どうやら中国産のアサリを熊本産と称して出荷していたようです。報道によると熊本産のアサリは年間21トン(2020年)しか獲れないのに、少なくとも3か月の間に2485トンものアサリが熊本県産と偽って売られていました。いくらなんでも、気が付かないわけは~

 追いかけるように農林水産省は1日、国内で流通する熊本県産アサリについて、外国産が大量(97%)に混入し販売されていたとの調査結果を公表しました。農林水産省は昨年10~12月、スーパーなど小売店1005店舗を対象に、アサリの販売状況や、商品の産地確認(DNA鑑定)を行っていたのです(内定?)。調査の結果、北海道や四国の一部をのぞく全国829の店舗で国産アサリが販売され、3カ月間で販売量された国産アサリは3111トン。このうち熊本産アサリは2485トンを占めていました。販売商品50点のDNA鑑定では、熊本県産31点中30点で「外国産が混入している可能性が高い」と判定されたのです。

 このような産地偽装は消費者を欺く行為であり、決して許されものではありません。県漁連は「産地偽装の実態は十数年前からある」と言っていますが、それが本当なら、私達は何を信じていいのかわかりません。

 関係者には真実をさらけ出す勇気を持って欲しいと思います。

■追記■2020年のアサリの年間漁獲量は国内全体で4400トン、これに対し、中国、韓国からの輸入が35000トンで大半を占めています。アサリの漁獲高は1982年の16万トンをピークに激減しています。潮干狩りで「獲り放題」というイメージのアサリですが、この際、資源管理という面にも目を向けなくてはならないと思います。