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障害と障碍

 昨日のブログの中で、いくつか「障害」ではなく「障碍」という表記をしました。

 漢字には、それぞれ意味があります。 

「害」…わざわい、悪くする、いためる、傷つける。

「碍」(「礙」の略字)…さまたげる、ささえる。

 ですから、本当は「障害」ではなく「障碍」「障礙」とすべきところ、常用漢字の制限で音読みが同じ「害」を充てることになり、1949年(昭和24年)に制定された法律の名称も「身体障害者福祉法」となった~

 私たちは、そう教えられ、これまで「害」を使ってきました。

 この常用漢字の制限の裏には、漢字が無制限に広がると印刷屋さんが困る、そもそも漢字文化が嫌い、GHQの圧力など、様々な背景があったようですが、覚える身になって考えればわかります(笑)。

 しかし、「障碍」を持ちたくて持っているわけではない当事者の気持ちまで、当時は想像できなかったのでしょう。多様性を受け入れられる現在なら、「害」ではなく「碍」を充てることができるのかもしれない。多くの障碍者のために、たった一文字、覚えるだけでいいのです。

 東京オリンピック・パラリンピックを控えた国会で、この「碍」を常用漢字に加えようという委員会決議が、衆参両院でありました。これで問題は解決するかに思われましたが、なんと文化審議会国語分科会(文化庁)は常用漢字への追加を拒否したのです。その理由は、これまでも、これからも常用漢字でないから「碍」が使えないわけではない。つまり、「碍」を使う使わない、と、常用漢字に加える加えないは、別の問題だというわけです。いかにも、お役所らしい論理です。

 この「害」を「がい」と平仮名にすることも自治体の間で流行しましたが、根本的な解決策とは言えません。

 みなさんが風邪をひくとお世話になる耳鼻咽喉科。

 常用漢字でなかった「咽喉」が常用漢字に加えられたのは10年前のことです。